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バーターバナーのその後について


本コラムは、2002年に発表したものです



今回のテーマは、「バーターバナーのその後について」です。

先月、7月1日よりCSJエクスチェンジバナーを開始したことを同月4日の本コラム上においても記載をいたしましたが、ちょうど1ケ月経過しましたので、その結果とイープレスの今後の考えなどをお話したいと思います。

交換バナーについての諸説明は割愛させていただくとして、1ケ月間の結果からですが、結果は、「クリック 0(ゼロ)」でした。

バナーのデザイン的な問題はあるにしても、イープレス運営の複数のサイト(合計4サイト)で結果がゼロでしたので”効果”については、「ほとんど皆無に等しい」と判断したいと思います。但し、私個人が自社運営サイトに貼った他サイトバナーはクリックをしましたので、イープレスが運営をしていない「コミュニティ系サイト」がバーターバナーを行なった場合を除くと付記しておきます。

このコラムを読まれる多くの方は、コミュニティサイトの主催者ではないと思いますが、上記コメントから判断をしていただければと思います。

さて、数年前に効果を自ら確認したバーターバナーの事例をもとに今回はじめたものでしたが、冒頭から悪しき結果をさらけ出してしまいました。しかし、私自身ここで感じた幾つかの点を別な形で試してゆきたいと、現在もう船を漕ぎ出しております。

それは、自社サイトに貼ったバナーに対して、今回は、「一切の誘導」を行なわなかった点に起因します。むろん、自社バナーのクリック誘導は、他のサイトで行なわれるものなので、手前のサイトが誘導というのもおかしな話ではあるのですが、そもそもシステムにおいてのバーターバナーは、互いのサイトに面識があるわけでもなく、双方がそれぞれが持つバナーをどのように誘導して欲しいかといったことまでは全く及ばないところです。

そこで、現在はイープレスが運営するサイト「逸品倶楽部」内において、次のような意図をもってバーターバナーの募集を開始いたしました。 ★逸品倶楽部 >>> こちらへ

■バーターバナーを希望する側と受ける側の双方に各サイトを閲覧させる
■自社バナーの誘導については、自社で希望する
■バナーサイズについては統一的なものにしない
■バーターバナーの目的を「販売売上」の向上に置く
■ショッピングサイト間で行なう

およそこのような意図を持ってはじめました。

まずはじめの、バーターバナーを希望する側と受ける側の双方に各サイトを閲覧させるですが、エクスチェンジバナーの欠点を一つ解消させるために、双方のサイトをそれぞれの主催者に閲覧させることを前提としております。単純に、システムのエクスチェンジバナーは「バナーの表示」が目的の大前提にありますから、アダルトサイトなどを除くというぐらいの規定しかありません。つまり、自社サイトのバナーがどのサイトのどのページに、またどのような形で表示されるか分からないのです。これでは、結果もなかなかついてきません。そこで、ちょうどアフェリエイトバナーのように、パートナーサイトとEC広告主サイトの間で双方がサイトを見てから判断できるように考えました。

次に、自社バナーの誘導については、自社で希望するですが、これは、その次に挙げたバナーサイズについては統一的なものにしないと連動しています。そもそも、バナー自体がユーザーを誘導するものですから、クリックを一つの目的に考えれば、「クリックされるようなバナー」はサイズに捉われないものと、位置付けました。(但し、交換する場を設けるに当たってはいずれか一方が能動的にならなければ開始できませんので、申し出る側はサイズを示しています) また、誘導するためのテキストなども、バーターを希望する側は自らが企画として挙げることが可能です。

そして、4番目のバーターバナーの目的を「販売売上」の向上に置くですが、これも、その次のショッピングサイト間で行なうと連動しております。クリックがなければ売上もない、また表示回数が少なければ、そもそもクリックもされないという当然の論理を踏まえたうえで、逸品倶楽部という通販に限定したサイトの性質もありますが、ショップオーナーが望む「売上」、この点に比重を置いてゆこうと考えました。

実際のところ、私も仕事柄、よく「PV」「クリックレート」という言葉を口にしますが、広告主の企業様から言わせれば、望んでいるのは、「売上」だけです。ショッピングサイト(通販主催者側)が「売上」を目的とする以上、バナーが貼られる相手側のサイトが、幾らページビュー数が多くあっても、「コミュニティサイト」や「ゲームサイト」であっては力が弱いわけです。もし後述したサイトのほうがショップの売上を向上させるに適したものであれば、国内の大半の通販サイトがそれらをメインにしたホームページ作りをしているはずです。

答えは、NOなわけですから、自らのサイトが「ショップ」であるのと同様に、自らのサイトを宣伝するためのバナーも同じショッピングサイトに貼ろう、というのが考えにあります。

さて、こうして新たなバーターバナーの意図をちょっと振り返ると、中には「二者間のバナー交換で意味があるだろうか?」という点を指摘される方がいるかもしれません。

最後に付記しおきたいのですが、そもそもバナーの掲示は、「アクセスの少ないサイト間」では意味がないという点です。私は国内最大手のバリューコマース社など「アフェリエイトバナープログラム」には賛成(以前、自らが勤務していた会社で実績があるため)側の人間ですが、そもそもそのアフェリエイトも”成果を本当に上げているのは、アクセスの多いサイト”だからです。

ただ、成果報酬型といっても、初期費用や毎月の固定経費を考えれば、非常に有効なプログラムではありますが、国内の大半の企業(中小企業)が広告主として参加できる敷居には無いという点から、「ショッピングサイト」間で自由にバナーなどの交換ができるような場を今回設けたわけです。