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実店舗のWEB事情


本コラムは、2002年に発表したものです



一昨年の2000年頃から、ネットのみでビジネス展開を行なっている企業と実店舗を持っている企業との間に明らかな格差が出てきたと言います。これは主に、実店舗と併用してネット戦略を打ち出すべきだという戦略を言っているのではなく、実店舗展開をしている企業が高い売上を上げ成功しているという結果論を言っています。では、その成功企業に代表されるソーテック、ヨドバシカメラ、ソフマップなどの大手を除いた場合、街の中で展開している小さな実店舗にとって「WEB事情」はどのようなものなのでしょうか?

実際のところ、ホームページ開設のきっかけは、「度重なる営業があって止む無く契約し立ち上げた」といったものや「趣味ではじめたパソコンを活かして自分でページを作った」という答えも少なくありません。

一方、実店舗の案内のみで「通販」などは行なっていないにも関わらず、「ホームページを作ったから売上が少し上がるかもしれない」といった声も耳にします。

すでに「どうネットを活用してゆくか」という課題に取り組まれ実践している企業にとっては不思議に思えるこの回答も、街の小売店にとっては「ホームページ開設」だけで終わっているところが多く、少しでも更新を行なっている店舗に限っていえば、かえってそれが利益を伴わない足かせになっていることも少なくないのです。

では、これらの通販を行なわない実店舗が持つWEBはどのようにしてゆけば良いのでしょうか?

方法は幾つか考えられますが、やはりまずは「目的」を再確認することが大切です。例えば、「ネットから売上を上げる」のか、「ネットで情報を発信してゆき、実店舗の来店」につなげるのかなど目的を明確にすることが大切です。

同時に、店舗が現在抱える全顧客のうち、どれだけの顧客がインターネットに接続しているかを別な方法(DMなど)で知ることです。顧客の全員が同時時期に来店することはどの店舗でも考えられませんから、顧客でありかつネットに接続しているユーザーには自店のページにアクセスさせる「きっかけ」をサイト上に設けることです。

もちろん、どのユーザーもお気に入りのページが唯一ということはありませんから、10分の1、20分の1などの確率で自店のサイトに訪れてもらうようにします。

とかく、一個のホームページに対して結果を100%求めがちですが、そううまくはゆかないという現状を知っておいたほうが割りと気楽に進められるはずです。

これでは新規の顧客を獲得する方法にはなっておりませんが、「売上」を伸ばしたい店舗では稼働率が下がっている場合が多いという結果に基づいての方法です。新規の前に、これまでの顧客の回転率を高めるため、眠っていた関心をサイトを通じて行なうことが第一歩です。従来の顧客を満足させることが必要と考えます。

次に新規の顧客探しですが、対象の年齢層を考えたほうが良いでしょう。20代なのか、60代なのか?もちろん、後者ではインターネットを活用してサイトにアクセスさせるのは非常に難しいものがあります。懸賞などで会員を獲得しているオプトイン主催の会社でさえ、60代の登録は微々たるものです。

そうなると当然ながら、少しく若い世代に対象をもってくる必要がありますが、サイトで何を発信してゆくか、それらのコンテンツが若い世代が欲しがっているものが合致しているかなど考える必要があります。

サイト運営者がもし難しいと感じたら、「企画」や「発想」の部分は別な担当者にするのが好ましいといえます。

さて、具体的なコンテンツについては飛ばしてきましたが、これについては最低限、自店のサービスや商品を掲載するのは言うまでもないことですが、個々の店舗が自らの顧客に対して、「どのような情報を得たいか」アンケートなどで調査し、少しずつそれらを充実させてゆくことがもっとも望ましいといえます。

とかくサイト作りにだけ集中してしまうと、店舗から発信するコンテンツがユーザーが欲しがっているものと異にしている場合が多いのです。


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