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プレゼント企画は本当に無意味なのか?


本コラムは、2002年に発表したものです



通信販売を主に目的としたホームページ上では、アクセスアップの手法として「プレゼント企画」というものをよく見かけます。

これは、主催者がサイト上で取り扱う商品などをプレゼントとしてユーザーに提供を促すことでアクセス数増大を図ろうとするもので、平均して数100の応募、あるいはプレゼント専門サイトなどに登録を行なうと数1000件もの応募という結果も決して珍しくはありません。もちろん、応募者が相当数あるわけですから、アクセス数もそれに比例して数が増えてゆきます。

しかし、プレゼント企画を実施されたサイトでは、「確かに応募者はあったし、アクセス数も上がったが、売上が一向に伸びない・・・」こんな悩みをお持ちではないでしょうか。

その結果を知ってか、一部コンサルティングを論ずるコラムなどには、「プレゼント企画は意味が無い」などとまことしやかに書かれたものを見かけたりします。果たして、本当に無意味なのでしょうか。

私自身、ショッピングモールを運営する会社でコンサルティングを行なっていた過去、依頼されたショップ様の反響アップのために、確かにプレゼント企画を薦めておりました。しかし、ここで申し上げたいのは、どの様なコンセプトのもとに「プレゼント企画」を実施したかという点なのです。

事実、プレゼント企画を行なって、数1000もの応募データが集まった場合、私が提案し実務を引き受けてきた先には口うるさいほど、その全応募者データの中から「本当に見込み客」になり得るデータだけを選別してください、と伝え「見込み客」に絞り込んだデータのみを活用するよう進めて参りました。

結果は、「反響は上がった」です。

そもそも、プレゼント企画の目的自体は、売上アップではなく、売上アップを図る前段階としての「応募者データ集め」に他なりません。もちろん、アクセス数が上がるという側面から見れば、認知度アップにも大きく貢献しているわけですが、本当に反響(売上)を上げるのはその後からなのです。

先ほど、「見込み客を選別し」と書きましたが、私が提案したプレゼント企画の全ては簡単なアンケートを設置しております。設問はおよそ5、6問ぐらいでしょうか。その中から、企画が終了したのち、「本当に興味があるユーザー」と「単にプレゼント目当てのユーザー」とに分けてゆきます。具体的な選別法は本コラムをユーザーの方々も見ておられるでしょうし、また恐れながらイープレスのノウハウにも重なりますので敢えて割愛させていただきますが、最終的には、「見込み客」のデータを活用するためにプレゼント企画を行ないます。

多くのプレゼント実施サイトでは、その目的に「売上アップ」を掲げながらも、アンケート項目を設置していない、あるいはアンケートを活用できていないといったケースがあります。これでは、せっかくプレゼント企画を実施しても目的に叶うことはありません。もちろん、イープレスで提唱するプレゼント企画の目的は、「データ集め」「見込み客の選別」であり、「売上アップ」のための準備としてのものですが。

さて、このようなことを申し上げると、「売上」につながらないのであれば、やはり「プレゼント企画は意味が無い」と感じる方もいらっしゃるかと思います。しかし、このインターネットの世界ではじめから貴社(貴店)に興味を持った方々にだけ商品を買ってもらえればいい、などと言ってしまったら、それは間口を自ら狭めることに他ならないことであり、広大なインターネットを全く軽視したことになってしまいます。もし、それでもなお「ターゲットを絞り込んで」アクセスを促したいのであれば、オプトインメールをお勧めいたしますが、この場合、ちょっと仕掛けをしておかないと、オプトインメール広告によって「サイトの宣伝」はできるものの、ユーザーデータを貴社のものとして確保することは大変難しいと言っていいでしょう。

話を戻しますが、あくまでもプレゼント企画の目的は「売上アップ」に繋げるための「応募者データ集め」です。そして、その中から見込み客を選別し、「メールマガジン配信」を行なったり、貴社のサービスを独自に伝えていったり、DMを流したりと活用することでユーザーを抱え込んでゆくのです。

ともすれば、間口を狭くしてしまうことで、はじめから「興味を持った100人にアクセスしてもらえれば良い」と考えるのか、それともプレゼント企画を実施することで広く「1000人以上に告知ができ、かつその中で貴社に興味があるユーザーが500人(データ付)得られ、その後も見込み客の500人にアプローチができるのが良いのか」です。どうでしょうか。皆さんで選択をしてみてください。※あまりにも特化された業種業態によっては、プレゼント企画そのものを推奨しない場合もございます。


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